相続時精算課税
相続時精算課税制度とは
相続時精算課税とは、65歳以上の両親から18歳以上の子への贈与(住宅取得資金の場合にはについては「65歳以上の両親」の制限なし)、2,500万円まで贈与税がかからなくなる、というものです。
子が親から財産の贈与を受けた際に、いったんはその分の贈与税を仮払いしておき、贈与者である親が亡くなった時に、贈与を受けた財産の額を相続財産の額に戻して相続税の金額を計算し、その金額から仮払いした贈与税の金額を差引いた残りの金額を相続税として納付するという制度です。
なお、仮払いした贈与税の金額の方が最終的な相続税の金額よりも多い場合は、相続税の申告をすることにより、払いすぎた税金を返してもらうことができます。
相続時精算課税制度には2,500万円の特別控除枠がありますので、贈与を受けた金額がそれ以下の場合は、贈与税の仮払いは不要となります。
相続時精算課税を選択した贈与者ごとに、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産評価額から2,500万円(累計2,500万円に達するまで複数年で控除が可能です)を控除した残額に対して贈与税がかかります(贈与税の期限内申告書を提出する場合のみ、特別控除することができます)。
また、前年以前にこの特別控除の適用を受けた金額がある場合には、2,500万円からその金額を控除した残額がその年の特別控除限度額となります。
2,500万円を超える部分には、一律に税率20%で贈与税が課税されます。
ここで支払った贈与税は相続税の前払いの性格を持ちます。
将来相続が発生した時に、相続時精算課税制度により贈与をした財産は、相続財産に含まれ相続税が課税され、贈与税を支払っている場合には、その贈与税額を相続税額から差し引くこととなります。
相続時精算課税制度を適用する場合は、贈与者及び受贈者に下記の要件が必要となります。
・財産を贈与した人(贈与者)・・・・・・・・・・65歳(注1)以上の親
・財産の贈与を受けた人(受贈者)・・・・・18歳(注1)以上の子である推定相続人(注2)
(注1)年齢は贈与の年の1月1日現在で判定します。2022年4月1日以後の贈与からとなります。
(注2)子が亡くなっている場合、18歳以上の孫を含みます。
「相続時精算課税制度」を一度選択してしまうと、従来の「暦年課税制度」には戻せません。
相続時精算課税制度と暦年課税制度との比較
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相続時精算課税制度 |
暦年課税 |
贈与者 |
60歳以上の父母または祖父母 |
誰でもよい |
受贈者 |
贈与者の直系卑属(子や孫)である推定相続人又は孫 |
制限なし |
基礎控除 |
2,500万円 |
年110万円(毎年利用可) |
税率 |
非課税枠を超える部分に対して一律20% |
10%~55% |
相続時の |
贈与財産を贈与時の価額で相続財産に合算して相続税を計算し、相続税額から相続時精算課税による贈与税額を控除します。 |
相続開始前3年以内の贈与財産は、贈与時の価額で相続財産として加算します。 |